有線通信

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すべてがデータ、データがすべて

テクトロニクスのSarah BoenとDavid Akersonは、データセンタと有線通信市場を形成する広範なトレンドについて議論しています。

コネクテッド・デバイスとセンサの急速な普及によって、かつてないほどのデータが生成されていて、このトレンドが続くことが予想されています。データが指数関数的に増大する世界では、次のようないくつかの難しい問題が提起されています。データをどこに保存するのか、必要時に必要な場所でデータをどのように入手するのか、データに素早くアクセスし、そこから価値を引き出すにはどうすればよいのか。

モノのインターネットの世界でのデータのデジタル化とセンサ化は、作成されるデータ量の爆発的増大をもたらしています。

「例として、飛行機の乗るとき、その飛行機のすべてのセンサから転送されるデータ量は膨大です」とBoenは述べています。「ボーイングのecoDemonstrator787は、140,000を超えるデータ・ポイントを使用していて、飛行ごとに数テラバイトのデータを生成しています。このデータすべてをリアルタイムでデータセンタに送り、素早く処理する必要があります。」とBoen。毎日100,000便を超える民間飛行便があるので、総データ量は膨大です。これは毎日生成されている大量の情報のほんの1例に過ぎません。「

この10年間、データセンタ管理者が把握する必要があるデータ量は、大きく変化しました。この間、この業界は、ギガバイトのデータ・フローの管理からエクサバイトまたはゼタバイトのデータの管理へと話題が変わりました。」とAkersonは説明しています。「このデータは、事業運営をより効率的かつ高収益にする大きな可能性を秘めており、また場合によっては新しいサービスをエンド・ユーザにもたらします。」とAkerson。

今までのところ、リアルタイムでこのデータの価値を引き出すことは、テクノロジによってある程度制限されてきました。テクトロニクスは、今後10年で新しい技術が生まれ、このデータが提供する可能性を組織がより有効に活用できるようになると予測しています。

ホット・データ。PCI Expressへの道

データセンタの2つ目のトレンドはストレージ・インタフェースとしてのPCI Expressの出現です。これは、データを高速で提供し、遅延が少ないというPCI Expressの性能の優位性に後押しされ、組織の効率性と収益性に大きな影響を及ぼしました。

出典:IDC、2017年

「5年前、PCI Expressストレージは支配的なストレージ・インタフェースではありませんでしたが、スループットと低遅延に関するテクノロジの性能優位性によって、その採用が加速し続けています」とAkersonは説明しています。「ストレージへの注目が高まっている理由を説明するために、Amazonは研究を実施し、100msの遅延が売上げ1%に相当すると判断しました。Googleは検索ページの生成時間が500ms余分にかかると、トラフィックが20%低下すると判断しました。別の研究では、ブローカ所有の電子トレーディング・プラットフォームが競合他社のものよりも5ms遅いとそのブローカは1msあたり400万ドルを失う可能性があることが示されました。これらの会社では、従来のインタフェースではこの遅延はなくならず、PCI Expressインタフェースを使用するNANDベースのストレージへの移行が促されています。」とAkerson。

 

ネットワークに接続されているSSDベースのデバイス数によって、転送および保存されるデータ量が増加しています。

 

「組織がデータをクラウドに保存しようと、ローカルに保存しようと、低遅延で大量のデータを送信するという問題点によって、ストレージ・インタフェースの規格の高度化と新しいテクノロジの導入が引き続き促進されます」とBoenは述べています。「PCIe Expressなどのストレージ・インタフェースと規格は、開発中のPCI Express Gen4 (16 GT/s)ストレージおよび今後開発されるGen 5 (32 GT/s)によって急速に進化しています。歩調を合わせて、SCSI Trade Associationは、24G Serial Attached SCSI (SAS4)の仕様を発表しました。

これらのテクノロジを使用するメーカにとって、1つの検討事項が残っています。」とBoenは述べます。「これらの製品は大きな性能上の優位性がありますが、これらの新しいテクノロジは、データセンタの経営者があらゆるものを低コスト、低電力に保ちたいというデータセンタの黄金律の影響を受けます。経営者の判断はこの黄金律に大きく影響されます。」とBoen。

新しいテクノロジ、新しい複雑性

ストレージおよびサーバのテクノロジの変化と共に、ネットワーク通信のテクノロジも同様にデータ伝送を高速化するための大きな変化が進行中です。これらの変化によって、複雑度が上昇し続けています。

NRZ vs PAM4

PAM4などの変調スキームはNRZの有力な代替手法になりつつあります。PAM4を使用すると伝送率は向上しますが、信号のノイズとテストが加わります。「PAM4トランシーバ開発者のテスト回数は、NRZトランシーバ開発時の10倍を上回ります」とAkersonは説明しています。「PAM4トランシーバを設計している会社では、最大の課題は、どうやって製品を早く市場に出すかと、どうやってテストの時間とコストを削減するかです」とAkerson。

どちらのテクノロジを使用するかもメーカが直面している重要な問題点です。「どのテクノロジが機能するかが明確ではないため、多くの会社は複数のテクノロジを実装しています」とBoenは述べています。「いろいろなお客様のロードマップを見ると、28GBd PAM4と従来の信号処理方法である56GBd NRZが併記されています。

多くの会社は両方を採用して危険を回避しています。その理由は、どちらが優るかまったく分からず、信号処理テクノロジが一方のアプリケーションで他方よりも高機能を発揮するかもしれないからです」とBoen。Boenが説明するように、メーカがこれらの複雑性に適応する方法は少ないです。「多くの会社はまず、どのように機能するかを事前にシミュレーションをしています。これには、既存製品をオーバークロックしてどのように高速動作するかを確認することが含まれます。」とBoen。

規格を待てない

データセンタおよび有線通信のもう一つの広範なトレンドは、誰がテクノロジの変化を推進しているのかということです。「これまでは、データセンタの相互接続は、実際にIEEEまたはOIF-CEIによって推進されていました」とBoenは説明しています。今は、Amazon、Apple、Facebook、Google、Microsoftなどの大規模データセンタ運営業者がテクノロジを前進させていて、必ずしも規格の完成を待っているわけではないとBoenは述べています。

「世界中のAmazon、Google、およびFacebookの技術者は、規格機関に積極的に参加していて、同時に社内でテクノロジ開発を推進し、場合によってはテクノロジの規格を定義しています」とBoenは述べます。「彼らはこれらの機関の理事会のメンバであり、テクノロジを推進していますが、規格機関の進捗は遅くなりがちなので、ビジネス・ニーズを満たすためにテクノロジの革新を迅速に進めている会社のグループによってメーカ間合意規格(Multi-Source Agreements)が制定されています」とBoen。

小規模ローカル・データセンタ

Boenによると、「新しい規格およびインタフェース・テクノロジは、大量データの需要についていくためにはまだ十分ではありません」とのことです。これが、データセンタがデータ・ソースの近くに移動し、結果として小規模になるとBoenが予測する理由です。これは、いわゆるホット・データ、つまりすぐにアクションを起こす必要があるデータでは特に重要です。

「自動車業界について考えてみてください」とBoenは述べます。「小型車、自動運転車、データの交換は、データセンタおよびネットワーク・インフラ全体を利用するようになるでしょう。これがすぐに取得する必要があるホット・データです。サービスを提供する場所に近い、小規模なデータセンタも必要になると思われます。」とBoen。これらの小規模なローカル・データセンタは光コヒーレント技術で接続される可能性が高いです。Boenによると、これには新しいテスト上の問題点が伴うとのことです。「データセンタ内で使用される光コヒーレント技術は増えていくと思われます。」とBoenは述べています。「トランシーバでは、電気インタフェースが光トランシーバに切り替わっています。電力を節約するために光技術に直接切り替わることによって電気インタフェースは姿を消すかもしれません。別のテクノロジが出現するか、または同じテクノロジだが違う方法で使用されるかもしれないと思います。利用者の観点からはエコシステムが変化していき、当社のお客様が実行しなければならないテストのタイプも変化するでしょう。」とBoen。

変化する世界での測定テクノロジ

これらの広範なトレンドによって、新たなテスト上の問題点が生まれ、これに打ち勝つ必要があります。新しい規格、手法、テクノロジの相互作用によって、かつてないほどに測定の重要性が増しています。「設計は大幅に複雑になっています」とAkersonは述べています。「製品が堅固であることを確かめるにはテスト回数を増やす必要があります。

この業界では多くの事柄が進行しており、この変化に備えることがテスト・ベンダとしてとしての当社の課題です。」とBoenは述べています。「当社のお客様は、それぞれ専用の機器を購入することなくさまざまなアプリケーションを対象にできる柔軟性のあるテスト・ソリューションを提供できる会社であると当社をみなしています。これらは、当社の将来のプラットフォームを構築するために当社が取り組んでいることです。」とBoen。

データセンタおよびデータセンタ・テクノロジが変化するにつれて、当社の設計を測定するために当社が使用する方法も変化する必要があります。新しい変調スキームから新しい相互作用プロトコルまで、データセンタの拡張から光リンク、ビッグ・データまで、さらに規格の作成方法まで多くの変化がありますが、有線通信の1つの側面、つまり「テストがプロジェクトの成功の重要な要素であり続ける」ということは不変です。

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