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インドの小さな町で育った私にとって、将来エンジニアになるという思いは自然なことでした。ちょうど皆さんが特定のスポーツ・チームの熱心なファンになるのと同じように、選択の余地のないことでした。そうなるはずだと信じていたのです。

父の影響もあったのかもしれません。父は化学エンジニアだったからです。同じ道を進むことは私にとって自然なことで、父にもいつもそう言われていました。お前はこの学校に行って、この学位を取得して、この会社にはいるんだ、といった調子で父に言われたのです。

幸運なことに、私にとって父の教えは納得できることでした。私は数学が好きでした。物理も好きでした。解析も好きでした。そして、そうしたスキルを身に着け、何かを作り出すことが何よりも好きだったからです。もちろん、そこには私の背中を押してくれた、ちょっとしたきっかけがあったことも否めません。


「振り返ってみると、エンジニアになれたのは、数学が好きだったからなのか、それとも父が怖かったからなのか、私にはよくわかりません。たぶん、両方だったんでしょうね」


あれは15歳のときでした。当時持っていた電子キーホルダーを分解しようと思いついたのです。6つのボタンがついていて、押すとそれぞれ違った音が鳴るというものでした。私やクラスの友達にとって、一番好きな音(最も耳障りな音)は、もちろん救急車のサイレンの音でした。授業中、それを鳴らすのをドキドキしながら待っていたものです。それは、私たちが大好きなイタズラだったのです。

この音は好きだったのですが、問題がありました。音が小さ過ぎたのです。確かに耳障りではありましたが、私たちが目指していたのは、それはもう我慢できないくらいの強烈な音でした。窓ガラスが振動するような物凄いやつが必要だったのです。

早速改良を始めました。電源を電池からではなく、壁のコンセントからとるようにしたのです。電圧を変えて、配線をやり直しました。スイッチを入れてみると…ご想像のとおり、みごとに爆発してしまいました。たぶん罰が当たったのでしょう。

そうした爆発事件を幾度か繰り返した結果、私はもう少し安全な分野のエンジニアリングに移行することを決意しました。それがマイクロ・エレクトロニクスでした。もちろん、相変わらず爆発の危険性はあります。しかも、失敗のコストは高くつきます。それでも、この分野では火災を引き起こす可能性は低そうです。経歴というものを考えれば、自分にとってよい選択だったと思われます。

エンジニアなら誰でも、こうした失敗談の1つや2つはあるのではないでしょうか。新しい何かを作り出そうとしているのですから。そのような新しい何かを作り出すスキルこそ、私がいつもエンジニアリングに惹きつけられてきた理由の1つに違いありません。そうした能力が理論そのものである専門知識(解析、数学、物理)と結びつくことによって、大きな問題も解決することができたのです。「音が小さ過ぎて誰も驚かない」といった小さなことだけでなく...

私がイーロン・マスクを尊敬するのも、そこに理由があるのかもしれません。彼もまた問題解決に取り組んでいますが、それは未来の問題なのです。宇宙旅行のように。テクトロニクスでも実際に同じように問題に取り組んでいます。オートモーティブ用電源1つをとっても明らかです。私の専門分野であり、先を見越した計画がすでに立案されています。7年先ではありません。70年先まで見通そうとしているのです。

私たちもまた未来の問題を解決しているわけです。もちろん、爆発事故のような失敗も、ごくまれには起きますけど。