電力部門

電力効率

常にオンのもの

パワー・エレクトロニクスは、ナノワットからキロワットまで広範な領域をカバーします。しかし、あらゆる電力レベルの設計目標は共通です。それは効率の改善です。この記事では、テクトロニクスのエンジニアは、電力設計で浮上してきたトレンドについての見解を共有します。

バッテリ駆動効率について考えると、モバイル・デバイスがまず思い付きます。私たちは、最低でも8時間の通話時間を期待し、また、小さくて多機能のパッケージに収まっていることを期待します。2017年11月のエリクソン・モビリティ・レポートによると、現在50億を超えるモバイル・ブロードバンド契約件数があるとのことです。

間違いなくスマートフォンが電源管理とバッテリ技術の推進役を担い続ける一方、新種のコネクテッド・デバイスが電源管理の限界をテストしています。2020年までに、240億台のIoTデバイスが無線テクノロジを介して接続されることが予測されています。

2281S-20-6型とDMM7510型を同時に使用することで、消費電力/バッテリ寿命の評価に最適なソリューションを提供

 

これらのデバイスの多くが電力ラインにアクセスせず、これらすべてが常に(または少なくともある程度)オンの状態を保つ必要があります。この継続的に常にオンであるIoTの側面こそが電源管理および測定に新しいソリューションを要請しているものです。「石油掘削装置を管理するIoTデバイスを設計している場合、そこには電力線はなく、バッテリ駆動になる可能性が高いです」とテクトロニクスのエンジニアJay Shahは述べています。「このようなすべてのIoTデバイスの電力消費を検討することは非常に重要です」

とJay Shah。
Battery-lifeディープ・スリープ・モードでは、電力消費はナノアンペアからピコアンペアの範囲に低下します。
ディープ・スリープ・モードでは、多くのIoTデバイスは、ナノアンペアからピコアンペアの範囲の電流を消費しますが、測定や伝送を行う時には1アンペアに近い電流を消費します。
これらのデバイスの電力消費を求めることは明らかに重要ですが、IoTセンサの動作範囲は極めて広いため、電力プロファイルの特性評価は非常に困難です」とShahは説明しています。

国際規格競争

気候変動に対応して、多くの政府は、新たに厳しい効率規格を開発しています。残念ながら、非常に早いペースでこれらの規格がリリースされ、多くの組織が関係しているため、経験豊富な設計者でさえ若干困惑しています。たとえば、親しみを込めて「壁のいぼ」(wall warts)または「積み木」(bricks)とも呼ばれている外部電源(EPS)の効率規格を取り上げてみましょう。

Battery-life待機電力レベルの低減
2016年、米国エネルギー省(DOE)は新しい効率規格を発表しました。現在、ヨーロッパは、厳しいエコデザイン・ルール(Ecodesign rules)でその先を行っています。したがって、設計者はより高い効率を求めて取り組んでいて、より多くのテスト、特に電源テストを必要としています。
さらに、規格競争は外部電源のみに限られているわけではありません。家電、産業機器、空調機器に対する新規格または規格の改訂も絶え間なくリリースされています。規格は、多くの異なる機関からリリースされ、それぞれに管轄権があります。米国とEUの機関に加えて、中国のCQCが規格を積極的に作成しています。カリフォルニア州エネルギー委員会は、米国DOEの規格より厳しいエネルギー規格の作成に積極的なスタンスを取っています。これらの規格それぞれが絶えず更新される文書であるため、設計者は常に最新情報に遅れずについていく必要があります。

自動車の電化

パワー・エレクトロニクスの要件を形成するもう一つのトレンドは、自動車市場で起こっています。自動車業界の多くの人は、最終的に電気自動車が内燃駆動車を置き換えると予測しています。これらの車両のトラクション・システムにとっては、DC-AC変換器とバッテリ管理システムが重要ですが、あまり顕著ではないいくつかのトレンドがここにもあります。

現代の車のいたるところにエレクトロニクスが浸透しているため、設計者は電力消費を厳密に管理せざるを得なくなっています。IoTの「常にオン」の難問も自動車モジュールに存在します。車のオフにしたときでも、多くのシステムはスリープ・モードで動作を継続します(実際、車が最も複雑な「モノのインターネット」だと多くの人が唱えています)。内燃自動車でさえ、設計者はバッテリを消耗することなく新しいレベルの安全性と快適性を提供しなければならないというプレッシャにさらされています。

完全な電気自動車への移行の途上で、おそらくさまざまな形態のハイブリッド車が普及すると思われます。これらの車両は、複雑な電力変換システムと電力管理システムを組み込むでしょう。やがて古い技術になるであろう12Vシステムとは対照的に、明日のHEVやEVは複数の電源バスを組み込むことになるでしょう。一部の車両では、スタータ/ジェネレータ、回生ブレーキ、バッテリ、または太陽電池からの電力フローとして双方向のDC-DC変換が必要になるかもしれません。

SiCおよびGaNへの大きな転換

パワー・エレクトロニクスは、ワイド・バンドギャップ半導体テクノロジが広く使用されるようになることから、今後5年間に基本的なレベルで進化するでしょう。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの新しい半導体材料は、熱伝導率の向上、スイッチング速度の高速化、シリコンよりも物理的に小さいデバイスを可能にします。

この電力供給の基本的な構成要素のシフトは、基礎からの新しい設計を推進しています。GaNは、(100W未満程度の)エレクトロニクス電源の世界を変えることが期待されています。GaNテクノロジは、電力変換に適合している多くの同じ属性のおかげで、RFパワー・アンプの世界にも大変革を引き起こしています。SiCは、モータ、ドライブ、インバータなどの高電力設計製品にその用途を求めています。「今年は、炭化ケイ素の重大な変曲点で、多くの商品が生まれました」とテクトロニクスのエンジニアTom Nevilleは述べています。「GaNはやや遅れているようです。その決定的な要因はコストですが、信頼性の問題もあります。」とNeville。
半導体業界は、これらの新しいワイド・バンドギャップ・パワー・デバイスを開発し、売り込むために取り組んでいます。半導体の研究開発エンジニアは、新しいコンポーネントの検証と特性評価に取り組んでいます。ドライバ・メーカは、高速スイッチング、EMI管理、より精巧なトポロジを求める要望に応えるために新しいゲート・ドライバを開発しています。これらの会社の製造エンジニアは、ウエハ・テストの問題点、つまり、かつてないほどに小さいデバイスをかつてないほどに広い電圧、電流で完全にテストしなければならないという問題に取り組んでいます。

価値連鎖の対極では、電源の設計者は、GaNデバイスとSiCデバイスの利点を最大限活用しようとして取り組んでいます(電力変換設計)。シリコンMOSFETに適用した経験則を考え直す必要に迫られています。設計者は、ハーフブリッジ・スイッチのデッドタイムを最小化して、スイッチング・ロスを最小化しようとしています。設計全体で動的な電圧、電流を正確に把握して評価できることが重要ですが、これはコモン・モード電圧と高速な立上り時間があるため困難です。
Isovu新しいプローブ技術によって、これまで確認できなかった設計で起こっていることの詳細が明らかになっています。
「テストは以前よりも重要になってきています」とテクトロニクスのエンジニアSeshank Malapは述べています。「電力密度と効率が非常に重要になっている状況で、人々は電力変換アプリケーションに可能な限り小さいデバイスを使用するという限界に挑んでいます。これがテストと測定が極めて重要になっている分野です。あなたのゲートは本当に必要なときにオンになっていますか。設計において、正確な負荷サイクルを把握して最大の効率を得ていますか。電源デバイスは冷却なしでできる限り多くの熱を分散していますか。
デバイスだけではなく、タイミング回路全体でもそのようになっていますか。」とShahは付け加えます。「その理由は、多くの異なる信号を同時に調整して操り、すべてが適切に動作し、オンになることが想定されていないときにデバイスがオンになっていないことを確認する必要があるからです。」とShah。

Malapによると、古いテスト・ツールと技術は、変化する電源設計動向に対して単純に十分ではないとのことです。「従来の電源コンバータ設計とテストでは、いくつかの信号を見て、他の部分が何をしているかを推測していました」とMalapは説明しています。「今やそうではありません。これは単なる悪い考えではなく、本当に悪い考えです。デバイスを破壊するかもしれないからです。」とMalap。

第6の波に乗る

世界はますますつながっています。テクノロジが変化してこの事実に適応するにつれて、エンジニアリング・ツールおよび技術も適応する必要があります。重要な値を測定できず、重要なデバイスの機能を確認できないと、私たちの進捗はその程度です。

「電力消費と一般的な電力処理を最適化する方法についてのすべての困難を振り返ると、今ではとても興味深いことです」とMalapは述べています。

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