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オシロスコープのすべて
 第1章
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オシロスコープの基本

波形と信号解析

今日、ほぼすべてのコンシューマ向け製品に電子回路が搭載されています。 製品が単純であれ複雑であれ、電子部品が含まれている場合、設計、検証、デバッグのプロセスでは、多くの電気信号を解析するオシロスコープが必要になります。

オシロスコープの基本を理解することは、ほとんどすべての製品設計にとって重要です。

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オシロスコープとはどのようなものでしょう。単純にオシロスコープでできることと、動作原理について解説します。オシロスコープは、基本的に電気信号をグラフとして表示する機器です。多くの場合、このグラフは、信号が時間とともにどのように変化するのかを示し、縦軸(Y軸)が電圧、横軸(X軸)が時間を表し、輝度、つまり表示の明るさをZ軸と呼びます。表示された信号から数多くのことがわかります。

  • 信号の時間と電圧
  • 信号の周波数
  • 信号で表される回路の「可動部分」
  • 信号の特定部分の発生頻度
  • 正常に動作していない部品による信号への影響
  • 直流電流(DC)と交流電流(AC)
  • ノイズ成分の大きさやその時間変化

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オシロスコープの波形

オシロスコープは、基本的に時間とともに変化する電気信号をグラフとして表示する機器です(図 2):

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図2: 表示波形のX、Y、Z成分

表示の明るさをZ軸(輝度)と呼びます.デジタル・フォスファ・オシロスコープ (DPO)では, z軸はカラー・グレーディング(カラー輝度階調)として表されます(図3を参照)

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図3: Z軸の輝度階調による2つのオフセット・クロック・パターン

シグナル・インテグリティの重要性

オシロスコープは、波形をいかに正確に再現できるかということ(シグナル・インテグリティ)がとても重要です。 信号をよりよく再現できることが、シグナル・インテグリティの高さに繋がります. 信号のイメージを取込み、後から観測、解析できるという点で、カメラに似ています。シグナル・インテグリティを実現するためには、次の3点が重要です

  • 撮影した画像が現実を正確に映していること
  • 撮影した画像が明瞭であること
  • 一秒あたり、正確な画像を数多く写せること
  • シグナル・インテグリティは、オシロスコープのさまざまなシステム、性能、および機能によって決定されます。また、プローブも測定システムのシグナル・インテグリティに影響します。

この入門書はこうした要素を理解し、自分のアプリケーションに最適なオシロスコープを選択するのに役立ちます。オシロスコープの選定を始める前に、波形と波形測定の基礎を理解する必要があります。

波形と波形の測定

音波、脳波、海の波、電圧波のように繰返し起こる現象を一般 的に「波」と呼んでいます。
オシロスコープは電圧の波を測定 します。 波形は波を図形的に表現したものです。

振動や温度などの物理現象や、電流や電力などの電気的現象はセンサによって電圧に変換することができ ます。波の1サイクルは繰返し発生する波の一部分で、波形は波を図形的に表したものです。電圧波形の表示では、水平軸が時間に、 垂直軸が電圧になります。

波形を見ると、信号についてさまざまなことがわかります。波形の高さが変化している場合は、電圧が変化していることがわかります。水平にまっすぐな線が表示された場合は、その観測時間内には電圧変化がなかったことを示します。

斜線のように表示された場合は、電圧が一定の割合で直線的に増加または減少していることを意味しています。鋭角的な部分は、 急激な変化を示します。図4に標準的な波形を示します。

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図4:標準的な波形
 

図5に ACコンセント、コンピュータ、自動車、テレビ、といった標準的な波形の発生源を示します。

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図 5: :標準的な波形の発生源

波形の種類

ほとんどの波は、以下の種類に分けられます。

  • 正弦波
  • 方形波と矩形波
  • のこぎり波と三角波
  • ステップとパルス
  • 周期的な信号と非周期的な信号
  • 同期信号と非同期信号
  • 複雑な波形

次にそれぞれの波形を見ていきます。

正弦波

「正弦波」は、いくつかの理由で基本的な波と言えます。正弦波は、 数学的に調和のとれた性質を備えています。高校の三角法の授業 で学んだsinグラフの形と同じです。.

ACコンセントの電圧波形も正弦波です。シグナル・ジェネレータのオシレータ回路で生成される テスト信号も、その多くが正弦波です。

ほとんどのAC電源は正弦 波です。(ACはAlternating Current、つまり交流のことで、そ の電圧も交互に反転する電流という意味です。DCはDirect Current、つまり直流のことで、電池のような安定した電流、電圧 を意味します。)「減衰正弦波」は、時間とともに振幅が減少する特別な正弦波です。

方形波と矩形波

「方形波」もなじみの深い波です。方形波は、基本的には規則的な 間隔でオン、オフする(または高低を繰返す)電圧です。方形波は、 増幅器の標準的なテスト信号として使用されます。高性能のいい増 幅器は、方形波を少ない歪みで増幅します。

テレビ、ラジオ、コン ピュータなどの回路では、タイミング信号として方形波がよく使 用されます。 「矩形波」は、高低の時間間隔が1 : 1でないことを除けば、方形波と似ています。これは、デジタル回路を解析するときに特に重 要になります。

のこぎり波と三角波

「三角波」と「のこぎり波」は、アナログ・オシロスコープの水平掃引やテレビのラスタ・スキャンのように、電圧を直線的に制御する回路などから発生します。

電圧は一定の割合で変化します。 この変化を「ランプ」と呼びます。

ステップとパルス

ステップやパルスのようにめったに発生しない波形や、定期的には 発生しない波形を、「単発信号」または「トランジェント信号」と 呼びます。

ステップ波形は、電源スイッチを入れたときなどに見られる電圧の急激な変化を示します。

パルス波形は、電源スイッチをオンにしてすぐにオフにしたとき などに見られる、急激な電圧の変化の際に得られます。 パルスは コンピュータ回路内を移動する1ビットの情報であることもあり、 また回路内のグリッチ(欠陥)である場合もあります。多くのパルスが たくさん連続すると、パルス列になります。コンピュータのデジ タル・コンポーネント間の通信は、パルスを使用して行われます。 パルスは、シリアル・データ・ストリームの形式やになったり、複 数の信号線によりが集まって特定の値をとるパラレル・データ・バスの形式になります。 なったりします。このほか、パルスはX線装置、レーダ、通信機器 でも使用されています。

周期信号と非周期信号

波形が同じ間隔で繰返す信号を「周期信号」、常に波形間隔が変わる信号を「非周期信号」といいます。周期信号は静止画に、動画 は非周期信号にたとえることができます。

同期信号と非同期信号

2つの信号のタイミングが一致しているとき、その2つの信号は「同期」しているといいます。コンピュータ内部のクロック、データ、 アドレス信号は、同期信号の例です。.

互いのタイミングに関係がない2信号の関係を、「非同期」といい ます。コンピュータのキーボードを打つ動作と、コンピュータ内 部のクロックには時間的な関係がないので、これらは非同期とみ なされます。

複雑な波形

信号の中には、正弦波、方形波、ステップ、パルスなどが混在した波形もあります。信号情報には、振幅、位相、ときには周波数 の変化も含まれています。

例えば、図6は通常のコンポジット・ビ デオ信号ですが、低周波の「エンベロープ(包絡線)」の上に高周 波成分の信号が重畳されています。

このような波形では、ステップ間の相対的なレベルとタイミング の関係を理解することが非常に重要です。このような信号を観測 するには、低周波のエンベロープと高周波の波形をミックスし、 低周波と高周波の違いを、輝度の濃淡として表現できるオシロス コープが必要です。

図6に示すようなビデオ信号などの複雑な波形の観測には、デジタル・フォスファ・オシロスコープが適してい ます。デジタル・フォスファ・オシロスコープには、頻度情報を、輝度の階調で表現できる機能があるため、真実の波形を理解する上で、非常に重要です。

オシロスコープによっては、特定の複雑な波形を、特殊な方法で 表示するものもあります。例えば、テレコム通信用のデータは、 アイ・パターンまたはコンスタレーション・ダイアグラムとして 表示されます。

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図6: 複雑な波形の例:NTSCコンポジット・ビデオ信号

テレコム通信のデジタル・データ信号は、オシロスコープ上では「アイ・パターン」、あるいは「アイ・ダイアグラム」と呼ばれる特殊な波形で表示されます。この名前は、 波形が人間の目のような形状であることからきています(図7を参 照)。

アイ・パターンは、レシーバからのデジタル・データを垂直 入力に、データ・レートを水平掃引のトリガとして使用すること で表示されます。アイ・パターン表示では、1ビットまたは1UI(ユ ニット・インターバル)の中にすべてのエッジが含まれた状態で 表示されます。

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図 7: 622Mbpsのシリアル・データのアイ・パターン

コンスタレーション・ダイアグラムは、直交振幅変調や位相シフト・ キーイングなどのデジタル変調方式による信号を表したものです。

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コンスタレーション・ダイアグラム

波形測定

オシロスコープで実行されるさまざまな測定では、数多くの用語が使われます。この章では、一般的な測定と用語について説明し ます。

周波数、周期

繰返し発生する信号には、「周波数」があります。周波数の単位は、 Hz(ヘルツ)で表され、1秒間に信号が何回繰返されるか(周期/ 秒)を示します。

また、繰返し発生する信号には、「周期」もあり ます。これは、1サイクルに要する時間を表します。

周波数と周期 は、逆数の関係にあり、1/周期は周波数に、1/周波数は周期に 相当します。例えば、図8の正弦波は、周波数が3Hzで、周期が 1/3秒です

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図8.: 正弦波の周波数と周期

電圧

「電圧」は、回路の2点間の電位の差(信号の強さ)を表します。 通常、2点のうち1つはグランド(0V(ボルト))にとりますが、 常にそうとは限りません。波高値から波低値までを測定することもあり、そのような電圧は「ピーク・ツー・ピーク(P-P)電圧」と呼び ます。

振幅

 「振幅」は、回路の2点間の電位差を指します。通常は、グランド(0V)からの最大電圧の値を指します。図9の波形では、振幅は1Vで、ピー ク・ツー・ピーク電圧は2Vとなります。

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図9: 正弦波の振幅と位相

位相

「位相」は、正弦波で説明するとよくわかります。正弦波の電圧は、 円運動(1周360°)に基づいています。正弦波の1周期は360° です(図9)。正

弦波の周期がどのくらい経過したかを位相角何度 と表すことができます。

位相ずれは、2つの類似した信号の時間的なずれを表します。図 10では、2つの波形はちょうど1/4周期(360°/4=90°)ずれて同じ値になるので、電流波形は電圧波形より90°遅れていることになります。位相ずれは、電気回路ではよく起こる現象です。

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図10: 位相ずれ

デジタル・オシロスコープを使用した波形の測定

最近のデジタル・オシロスコープでは、波形測定が簡単に行えるようになりました。前面パネル・ボタンまたは画面に表示された メニューを使って、自動測定を選択できます。測定項目には、振幅、周期、立上り/立下り時間など、たくさんの項目があります。

さ らに平均値、実効値の計算、デューティ・サイクル、数学的な計算も行えます。自動測定の結果は、画面上に数値で表示されます。 通常、この値は、人間が目盛から直接読み取る値より正確です。