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三相インバータ/モータ/ドライブ解析

5/6シリーズ B MSO用 Opt. 5-IMDA/6-IMDA アプリケーション データ・シート

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三相電力システムの測定と解析は、本質的に単相システムよりも複雑です。オシロスコープは、高いサンプル・レートで電圧、電流波形を取り込むことができますが、データから主要な電力測定値を生成するには再度計算が必要になります。オシロスコープベースの三相ソリューションでは、高いサンプル・レート、HiResアクイジション・モードを使用したロング・メモリで三相の電圧、電流波形を取り込むため、分解能は最高で16ビットになり、自動測定機能によって主なパワー・テストの結果が得られます。可変周波数モー タ・ドライブなどのパルス幅変調(PWM)をベースにしたパワー・コンバータでは、PWM信号の正確なゼロクロス・ポイントの検出が非常に重要となるため、測定は非常に複雑になます。このため、モータの設計エンジニアの検証、トラブルシュートでは、オシロスコープが推奨のテスト・ツールとなっています。インバータ、モータ、およびドライブのパワー解析を自動化するように設計された特別のソフトウェアは、PWMシステムで三相電力測定を大幅に簡素化し、エンジニアは設計に関する詳細データを、より迅速に得ることができます。テクトロニクスのインバータ/モータ/ドライブ解析(IMDA)ソリューションは、5 シリーズ/6 シリーズB MSOの高度なユーザ・インタフェース、6 または8つのアナログ入力チャンネル、および16ビットの高垂直分解能(HiRes)の特長を存分に生かし、エンジニアの三相モータ・ドライブ・システムのより良い、より効率的な設計を支援します。IMDAソリューションは、産業用モータ、およびAC誘導モータ、永久磁石同期モータ(PMSM)、ブラシレス DC(BLDC)モータのドライブ・システムの電子測定に際し、正確で再現性に優れた測定結果を提供します。DC測定から、電気自動車で使用される三相ACコンバータなどの測定にも構成可能です。

主な特長と仕様

  • AC誘導、BLDC、およびPMSMモータに使用される三相 PWM信号を正確に解析
  • 画期的なオシロスコープベースのフェーザ図により、VRMS、IRMS、および設定された配線ペアの位相関係を表示
  • フェーザ図と同時にドライブの入力/出力電圧と電流信号を時間軸で観測可能。モータ・ドライブ設計のデバッグに最適
  • 三相オートセット機能により、オシロスコープの水平、垂直、トリガ、アクイジションの各パラメータを三相信号の取込みに最適化して自動設定
  • IEC-61000-3-2、IEEE-519規格に従って、またはカスタムのリミット値を使用して三相の高調波を測定
  • 選択した結線構成に基づくシステム効率の測定
  • 5/6 シリーズ B MSOの直感的なドラッグ・アンド・ドロップ・インタフェースを使用して、測定項目をすばやく追加、構成することが可能
  • インバータ/車載三相設計解析:DC入力/AC出力結線構成に対応可能
  • 解析において、PWMフィルタリングされるエッジ・クオリファイア波形を表示
  • 特定の測定において、レコードごと、サイクルごとのモードによるテスト結果を表示
  • 特定の測定において、時間トレンド、アクイジション・トレンドのプロットを表示
  • 特定の結線構成におけるライン-ニュートラルへの演算変換をサポート
  • 位相プロットによるDQ0測定をサポート

測定の概要

可変周波数ドライブなどの三相パワー・コンバータでは、設計プロセスにおいて数多くの測定が必要になります。5/6 シリーズB MSO用のインバータ、モータ、ドライブ解析パッケージは、電気解析グループの主要な電気測定を自動化します。測定項目を設定することで、入力または出力結線構成を測定できます。

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IMDA測定(電気解析グループ)

1V1I(単相2線)、2V2I(単相3線)、2V2I(三相3線)、1V1I(単相2線DC)、または 3V3I(三相3線)、3P4W(三相4線)などの測定を設定できるため、さまざまな電源構成やモータ構成に対応できます。さらに、線間(L-L)またはライン-ニュートラル(L-N)の測定も行えるため、デルタ結線やYまたはスター結線にも対応できます。

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入力結線構成の設定画面

高調波

電力波形がきれいな正弦波のようになるのは稀です。高調波測定では、非正弦波の電圧または電流波形を、それぞれの周波数と振幅を示す正弦波成分に分解します。

高調波解析では、200次の高調波まで実行できます。必要に応じて、測定構成画面で範囲を指定することで、最大高調波次数を設定することができます。THD-F、THD-R、基本波は各相で測定します。測定値は、IEEE-519 またはIEC 61000-3-2規格のほか、カスタム・リミットに対しても評価できます。テスト結果は、パス/フェイル結果を示す詳細レポートに記録できます。

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高調波の測定値を業界規格またはカスタム・リミットと比較する

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高調波のプロットに高調波試験の結果が合格であることが示されている例。それぞれのバーに相A、B、およびCの結果が示されており、相関関係を容易に把握できる

高調波プロットには、三相のすべての試験結果がグループ化されて表示されるため、ユーザはそれぞれの相の試験結果を相関させることができます。また、プロットにはテスト結果が視覚的に示されます。合格条件を満たしていると高調波バーが緑色にハイライトされ、テスト・リミットを超過した場合は赤色にハイライトされます。これにより、高調波設計のデバッグを行う際に、ユーザは効率的に解析を進めることができます。

電力品質

この測定では、電圧/電流の周波数とRMS振幅、電圧/電流のクレスト・ファクタ、PWM の周波数、各相の位相角など、三相電力測定の重要な測定を行うことができます。また、有効電力の合計、無効電力の合計、皮相電力の合計も表示されます。

さらに、ライン-ニュートラル結線構成では、三相すべてについて、有効電力、無効電力、皮相電力の成分が表示されます。

フェーザ図に電圧と電流のベクトルを表示できるので、各相の位相シフトや相間のバランスをすばやく判断することができます。各ベクトルはRMS値で表され、位相は離散フーリエ変換(DFT)法を用いて計算されます。

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電源品質の測定に必要な項目も簡単に設定できる

電力品質測定では、電圧/電流の周波数およびRMS振幅、電圧/電流のクレスト・ファクタ、PWM周波数、有効電力、無効電力、皮相電力、力率、および各相の位相角など、重要な三相電力測定を出力側で行えるようにも構成できます。

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電源品質測定の電圧/電流入力を設定するだけで簡単にフェーザ図を表示できる

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オシロスコープをベースにした独自のフェーザ図表示機能により、電圧および電流ベクトルの相関解析も容易に行える

効率

効率は、入力電力に対する出力電力の比率を測定します。IMDAソリューションは、三相ACおよびインバータ構成の効率に対応しています。2V2I法を使用すると、三相効率は8つのオシロスコープ・チャンネル(入力側の2つの電圧と2つの電流ソース、出力側の2つの電圧と2つの電流ソース)を使用して測定します。各相(3V3I構成)における効率と、システムの合計(平均)効率を計算します。

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産業用モータの効率測定:結線およびフィルタの構成
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インバータ試験に最適なDC-ACトポロジの効率測定のための結線構成とフィルタの設定

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システム効率の全体像を詳細に把握できる

リップル解析

リップルは、一定のDC成分の残留または不要なAC電圧として定義されます。通常はDCバス上で測定されます。この測定は、入力側の AC-DCからの信号効率、出力側のPWM信号の不要な成分の影響を把握するのに役立ちます。

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ラインとスイッチングのリップルを調査するためのリップル解析設定
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インバータ・テストにおけるDC入力信号のライン・リップル測定

DQ0解析

三相ドライブ・システムの最適化は、システム効率と安全性の向上に直結します。ここで重要となるのが、ドライブ・システムの制御ロジックを、三相AC信号をもとに最適に調整することです。ACからDCのドメインに変換することで、パラメータの観測が容易になり、測定が可能になります。DQZまたはDA0(Direct-Quadrature Zero、直接直交ゼロ)変換は、解析を容易にするための、3要素ベクトルの基準座標の回転テンソル、または3行3列のマトリクスです。この変換により、三相AC波形の基準座標を回転させることで、DC信号にします。逆変換(Inverse DQ0)実行前にこの簡素化されたDC量で計算した後、実際の三相ACの結果に戻します。

DQ0変換の一般的なアプローチは、FPGAによるプログラミングと複雑な計算です。変換のた めの計算に加え、フィードバック信号のプロービングも非常に難しいことがあります。テクトロニクスは、追加のオプションとして、DQ0解析測定のカテゴリの中で特許取得済みのオンスコープによるDQ0測定機能を提供しています。この測定3V3I結線構成に対応しており、モータから三相の電圧または電流信号を取り込み、D-Q-0係数に変換します。モータ設計エンジニアの強力なデバッグ・ツールとして機能し、PWM制御回路設計のチューニングが可能になります

この機能には、大きな特長があります。まず、プロービングは、入力解析または出力解析と同じプロービング構成がDQ0解析でも使用できるため、シンプルです。さらに、DQ0の値はオシロスコープ画面の測定バッジにスカラ値として表示されると同時に、フェーザ図のベクトルとしても表示されるため、2つのプロット間の相関解析が容易になります

DQ0の機能は、5/6シリーズMSOのオプションであるOpt. 5-IMDA-DQ0/6-IMDA-DQ0 として利用可能です。

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5シリーズMSO 上でDQ0測定を実行した画面。VQ(緑)、VD(オレンジ)、VZ(白)の各ベクトルがフェーザ図に示されると同時に、そのスカラ値が右側の測定バッジに表示される

トレンド解析によるダイナミック測定

モータ・ドライブ解析の一般的な要件は、さまざまな負荷条件下でDUTの動作を監視できるように、より長いテスト時間とレコード長で、より多くの取込みを行いながら、モータの応答を観測できるようにすることです。このようなダイナミック測定は、最適な設計の理解に役立ちます。また、電圧、電流、電力、周波数などのパラメータ間の相互の関係、負荷条件におけるそれぞれのパラメータの変動の理解にも役立ちます。特定の領域をマニュアルでズーム、取込み、波形の特定の領域におけるテスト結果を見ることができます。

IMDAソリューションには、電力品質測定において2種類のユニークなトレンド・プロットがあり、このような要件に対応します。

  • 時間トレンド・プロット
  • アクイジション・トレンド・プロット

それぞれのプロットには特長があり、電力品質測定の下にある、対応するサブ測定のプロットで使用できます。時間トレンド・プロットは、サイクルごとの、または取り込んだ波形(レコード)ごとの測定値のトレンドを表示します。アクイジション・トレンドでは、レコードごと、アクイジションごとの測定値の平均値を表示します。アクイジション回数は、テスト設定時にユーザによって設定可能です。そのため、ユーザは長いデータ・レコードを取り込み、詳細なレコード解析を行うことでモータ応答のダイナミックな動作を把握することができます。プロットはCSVフォーマットで保存できるため、後処理が可能です

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時間トレンドでは、1つのアクイジション・レコードにおける電力測定をグラフィカルに解析できる。アクイジション・トレンドは、長時間における数多くのアクイジションの電力測定をプロットできる

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Vrms、Irms、位相差、有効電力の合計、皮相電力、無効電力など、100回のアクイジションの平均パワー測定のアクイジション・トレンド・プロットの例

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電力品質測定のさまざまなサブ測定では、時間トレンド・プロットの追加と設定が可能。Vrms と周波数のパラメータを監視する2つの時間トレンド・プロットが表示されている

レポート生成

IMDAソフトウェアは、データの収集、アーカイブ、設計の文書化、開発プロセスを簡素化します。MHTまたはPDF形式のレポートを作成できるため、パス/フェイル結果の解析が容易になります。

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IMDAテスト・レポート・ファイルの例(サマリ、詳細、および対応する画像)

Specifications

結線の構成
1V1I(単相2線)、2V2I(単相3線)、2V2I(三相3線)、2V2I(DC入力-AC出力)、3V3I(DC入力-AC出力) または 3V3I(三相3線)、および3P4W(三相4線)
L-L - L-N変換
三相3線(3V3I)で使用可能1
電気解析
電源品質、高調波2、リップル、DQ03、効率4
三相オートセット
すべての測定項目に対応
プロット
時間トレンド・プロット、アクイジション・トレンド・プロット、フェーザ図、高調波バー・グラフ5
レポート
MHTおよびPDFフォーマット、CSVフォーマットによるデータのエクスポートが可能
消磁/デスキュー(静的)
プローブの自動検出とオートゼロ機能。各チャンネルのメニューからデスキュー(電圧プローブと電流プローブ)や消磁(電流プローブ)を実行できます。
測定ソース
ライブ信号(アナログ)、リファレンス波形、演算波形

Ordering information

型名

製品名 Opt. 対応機器 利用可能な周波数帯域
新規にオシロスコープをご発注の場合のオプション名 5-IMDA 5シリーズMSO(MSO56型、MSO58型)
  • 350MHz

  • 500MHz

  • 1GHz

  • 2GHz

アップグレード時の型名 SUP5-IMDA
フローティング・ライセンス SUP5-IMDA-FL
製品名 Opt.6対応機器 利用可能な周波数帯域
新規にオシロスコープをご発注の場合のオプション名 5-IMDA-DQ0 5シリーズMSO(MSO56型、MSO58型)
  • 350MHz

  • 500MHz

  • 1GHz

  • 2GHz

アップグレード時の型名 SUP5-IMDA-DQ0
フローティング・ライセンス SUP5-IMDA-DQ0-FL
製品名 型名 対応機器 利用可能な周波数帯域
新規にオシロスコープをご発注の場合のオプション名 6-IMDA 6シリーズB MSO(MSO66B型、MSO68B型)
  • 1GHz
  • 2.5GHz
  • 4GHz
  • 6GHz
  • 8GHz
  • 10GHz
アップグレード時の型名 SUP6B-IMDA
フローティング・ライセンス SUP6B-IMDA-FL
製品名 Opt. 6対応機器 利用可能な周波数帯域
新規にオシロスコープをご発注の場合のオプション名 6-IMDA-DQ0 6シリーズB MSO(MSO66B型、MSO68B型)
  • 1GHz
  • 2.5GHz
  • 4GHz
  • 6GHz
  • 8GHz
  • 10GHz
アップグレード時の型名 SUP6B-IMDA-DQ0
フローティング・ライセンス SUP6B-IMDA-DQ0-FL

6 Opt. DQ0には前提条件としてOpt. IMDAが必要

ソフトウェア・バンドル

バンドル・オプション対応機器概要
5-PRO-POWER-1Y5シリーズMSOPro Power Bundle(1年更新ライセンス、5シリーズMSO用)
5-PRO-POWER-PER5シリーズMSOPro Power Bundle(永続ライセンス、5シリーズMSO用)
5-ULTIMATE-1Y5シリーズMSOUltimate Power Bundle(1年更新ライセンス、5シリーズMSO用)
5-ULTIMATE-PER5シリーズMSOUltimate Power Bundle(永続ライセンス、5シリーズMSO用)
6-PRO-POWER-1Y6シリーズMSOPro Power Bundle(1年更新ライセンス、6シリーズMSO用)
6-PRO-POWER-PER6シリーズMSOPro Power Bundle(永続ライセンス、6シリーズMSO用)
6-ULTIMATE-1Y6シリーズMSOUltimate Power Bundle(1年更新ライセンス、6シリーズMSO用)
6-ULTIMATE-PER6シリーズMSOUltimate Power Bundle(永続ライセンス、6シリーズMSO用)

推奨プローブ

プローブ・モデル 概要 数量
TCP0030A 電流プローブ 3本(3V3I結線の場合)7
THDP0200またはTMDP0200 高電圧差動プローブ 3本(3V3I結線)7

7 効率測定を行うためには、プローブが4本必要です。