1000BASE-T1/100BASE-T1(Opt. BRR)データ・シート

車載用Ethernetテスト・ソリューション

オンラインで読む:



当社のBRR車載用Ethernetソリューションは、1000BASE-T1および100BASE-T1規格に準拠した完全自動コンプライアンス・テスト・ソリューションです。テスト・ツールはDPO/MSO5000Bシリーズ、DPO7000Cシリーズ、DPO/MSO70000Cシリーズ上で実行されるため、コンプライアンス・テスト機能だけでなく、オシロスコープの豊富な検証/デバッグ機能も活用できます。Ethernet技術が車に搭載されることにより、総合的な設計検証においても、その要件がより厳しさを増しています。厳しい環境でも高い信頼性が保たれるよう、複数のECU間のインターオペラビリティ(相互運用性)を確保しなければならなくなったためです。優れたテスト・ソリューションがあれば、厳格なコンプライアンス・テストに合格し、実動作環境でも余裕を持って確実に動作することを確信できます。

主な特長
  • テスト時間の短縮:セットアップ・ウィザードを使用することで、車載用Ethernet 1000BASE-T1(802.3bpTM)および100BASE-T1(802.3bwTM)規格に準拠したコンプライアンス・テストを完全に自動化できます。
  • 検証/デバッグ:拡張ジッタ解析をはじめとする豊富なサポート・ツールにより、事前に問題点を捕捉できるため、コンプライアンス・テストで不合格になるのを未然に防止できます。
  • 信号品質評価:自動テストや拡張ジッタ解析ツールは、コンプライアンス・テストだけでなく、異なる環境条件におけるDUTの動作検証にも活用できます。
  • 詳細なレポート:パス/フェイル判定や波形のスクリーン・ショットが記載されたレポートを自動生成できます。
  • リターン・ロス測定:100/1000BASE-T1規格ではリターン・ロス測定が定義されており、通常はベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を使用する必要があります。当社の特許技術である車載用Ethernetテスト・ソリューション・ソフトウェアを使用すれば、設計者はオシロスコープを使用してリターン・ロス測定を実行できるため、別にテスト機器を用意する必要がありません。
  • 信号アクセス:当社はフィクスチャ、クロック・デバイダ、プローブなど、信号アクセスに必要な豊富なツールを用意しています。

車載用Ethernet自動コンプライアンス・テスト

設計やメーカが異なってもインターオペラビリティが確保されるように、物理レイヤのコンプライアンス・テストが定義されています。これらのテストを実行するための要件は拡張され続けており、車載用Ethernet 1000BASE-T1(802.3bpTM)および100BASE-T1(802.3bwTM)として定義されるに至っています。電気信号に関しては、グループ1において、主にトランスミッタを対象とするPMA(Physical Media Attachment)のテストが特別に定義されています。1000BASE-T1の車載用Ethernetテストには、周波数帯域が少なくとも2GHzのオシロスコープが必要です。

1000BASE-T1対応テスト項目
テスト項目 テスト名 テスト・モード 計測器
97.5.3.1  最大出力ドループ 2GHzオシロスコープ
97.5.3.2  トランスミッタの歪み 2GHzオシロスコープとAWG
97.5.3.3  タイミング・ジッタ(マスタ/スレーブ) 2GHzオシロスコープ
97.5.3.4  パワー・スペクトル密度(PSD) 2GHzオシロスコープ
97.5.3.6  クロック周波数 2GHzオシロスコープ
97.5.3.5  ピーク差動出力 2GHzオシロスコープ
97.7.2.1  MDIリターン・ロス 2GHzオシロスコープとAWGまたは当社のVNA
97.5.3.3  MDIジッタ 2GHzオシロスコープ
100BASE-T1対応テスト項目
テスト ID テスト名 テスト・モード 計測器
5.1.1  最大出力ドループ 1GHzオシロスコープ
5.1.2  トランスミッタの歪み 1GHzオシロスコープとAWG/AFG
5.1.3  タイミング・ジッタ 1GHzオシロスコープ
5.1.4  パワー・スペクトル密度(PSD) 1GHzオシロスコープ
5.1.5  クロック周波数 1GHzオシロスコープ
5.1.6  MDIリターン・ロス 1GHzオシロスコープとAWGまたは当社のVNA
5.1.6  ピーク差動出力 1GHzオシロスコープ

当社の車載用Ethernetテスト・ソリューションは、1000BASE-T1 (802.3bpTM)および100BASE-T1(802.3bwTM)に準拠した自動コンプライアンス・テストに対応しています。自動コンプライアンス・ソリューションには、当社の1GHz以上のオシロスコープ上で動作するテスト・ソフトウェアが含まれており、すべての物理層(PHY)トランスミッタ・コンプライアンス・テストを実施できます。

このコンプライアンス・ソフトウェアを使用すると、トランスミッタの電気的仕様の全テスト項目あるいは任意のテスト項目を選択して実施できます。選択されたテスト項目に応じてオシロスコープの設定も自動設定されます。柔軟なセットアップが可能なため、設計検証やマージン解析のほか、複雑な設定をしなくても再現性の高いコンプライアンス・テストを繰り返し行えます。さらに、パス/フェイル結果、表示波形、データ・プロットなどが記載されたタイムスタンプ付きの詳細なテスト・レポートも生成できます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

TekExpressの車載用Ethernetテストのセットアップ・メニュー(1000BASE-T1)

車載用Ethernetコンプライアンス・ソフトウェアは、シンプルなセットアップ・メニューにより、測定項目を柔軟に選択できます。ソフトウェアの操作画面は論理的なワークフローになっており、テストのセットアップ、変更、テスト結果のレビューもすばやく行えます。

テストのセットアップは、被測定デバイスへの接続、プロービング、テスト・フィクスチャへの接続、校正、さらにオシロスコープや信号発生器の使用など、さまざまなコンフィグレーションが存在します。正しい測定セットアップを支援するため、車載用Ethernetソフトウェアでは、それぞれのテストについて、セットアップ手順が画像/イラスト付きで示されるなど、誰にでも正しいセットアップが行えるようになっています。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

セットアップ・コンフィグレーション

車載用Ethernetコンプライアンス・ソフトウェアを使用するには、当社のDPO5000/7000/70000シリーズ・オシロスコープにWindows 7またはWindows 10をインストールする必要があります。Windowsアプリケーションとして動作するため、画面表示にはオシロスコープのディスプレイが使用されます。快適に使用するためには、外部ディスプレイを追加して、オシロスコープのスクリーンにではなく、外部ディスプレイにコンプライアンス・ソフトウェアとテスト・レポートが表示されるように構成することをお勧めします。

 


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

コンプライアンス・ソフトウェアの画面を別モニタに表示すれば、測定結果の効率的な解析が可能

それぞれのテストを実施する際は、デバイス・メーカが提供している専用のソフトウェアを使用して、トランスミッタを固有の動作モードに設定する必要があります。トランスミッタ、テスト・フィクスチャ、プローブが正しく構成されたら、実施するテストの種類に合わせて車載用Ethernetソフトウェアのセットアップを行います。テスト項目を選択すると、ソフトウェアのガイドに従うだけで、必要なセットアップがすべて実行されます。たとえば、歪み/リターン・ロスのテストであれば、テストを実施するのに必要な信号発生器のセットアップなども含まれます。

歪みテストの実施では、オシロスコープと信号ジェネレータのリファレンス・クロックが被測定回路の物理層のリファレンス・クロックに同期していることが要求されています。しかし、被測定回路の状況によっては、このクロックに直接アクセスできない場合もあります。そうした場合でも、車載用Ethernetソフトウェアにはソフトウェアによる信号補正を行うオプションが用意されているため、正確な測定結果が得られます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

TexExpress車載用Ethernetソフトウェアは、外部リファレンス・クロック入力のソースを指定できる(1000BASE-T1)

業界団体が策定したテスト手法に対応

ハードウェアのインターオペラビリティが得られるように、テスト・ソフトウェアはOPEN(One-Pair-Ethernet)Alliance SIG(Special Interest Group)によって定義されたテスト手法およびテスト・リミットに準拠しています。機器のセットアップ、アルゴリズム、テストの成果物などについては、すべてOPEN Allianceのテスト・ドキュメントに厳密にしたがっています。

歪みテスト

テスト・モード(1000BASE-T1/100BASE-T1の測定項目表を参照)に従って構成し、トランスミッタの許容される最大歪みを測定します。このテストでは、正弦波の障害信号を使用し、物理層の出力信号に追加する必要があります。ピーク・トランスミッタ歪みが計算され、測定値とコンプライアンス・テストの仕様が比較されます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

歪み測定

リターン・ロスの測定

MDIリターン・ロス・テストでは、ハードウェアのインターオペラビリティに影響を及ぼす、100Ωの差動インピーダンス仕様とのインピーダンスのミスマッチが検証されます。このテストは当社のVNAを使用して実施することもできますが、当社の特許技術であるBRRソリューションがあれば、オシロスコープを使用して同等のテストを実施できるため、計測器を新たに追加する必要がありません。

ジッタおよび伝送クロック周波数テスト

物理層は特定のシンボル・クロックで動作しており、テスト・モード(1000BASE-T1/100BASE-T1の測定項目表を参照)を使用して出力されます。マスタ(スレーブ)RMSジッタとTXクロック周波数について、それぞれ別にテストを実行し測定します。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

ジッタおよび伝送クロック周波数測定

ドループ測定

テスト・モード(1000BASE-T1/100BASE-T1の測定項目表を参照)を使用して物理層が構成されます。ドループ測定は波形の正と負のピーク電圧を判断することによって実行されます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

ドループ測定(正)


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

ドループ測定(負)

パワー・スペクトル密度(PSD)の測定

オシロスコープに内蔵された演算機能を使用して、入力信号のスペクトルが計算されます(1000BASE-T1/100BASE-T1の測定項目表に示すテスト・モードに設定)。PSDを求めるために信号に対してポスト・プロセスが実行されます。その後、計算されたPSDが下限マスクと上限マスクを使用して仕様と比較され、最終結果が導かれます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

パワー・スペクトル密度(PSD)の測定

MDIジッタ測定

テスト・モード(1000BASE-T1/100BASE-T1の測定項目表を参照)に従って構成し、3つの{+1}シンボルを伝送した後に、続けて3つの{-1}シンボルを伝送します。データ信号のジッタを測定します。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

MDIジッタ測定

検証とデバッグ

DPO5000/7000/70000シリーズ・オシロスコープを使用することにより、最終的なコンプライアンス・テストを受ける前、設計プロセスの初期段階において検証/デバッグを簡単に行えます。オシロスコープの標準測定機能に加え、DPOJET拡張ジッタ/タイミング解析ソフトウェア(オプション)も用意されているため、主要なコンプライアンス・テストに対応できます。

  • ヒストグラムおよびトレンド解析によるクロック周波数およびトランスミッタ振幅の測定
  • 正/負ドループ測定
  • TIEやヒストグラム・プロファイルを含むジッタ性能の特性評価
  • PAM3信号のアイ・ダイアグラム解析

初期段階でのテストにより、コンプライアンス・テストに合格する可能性が高くなるだけでなく、より確実な設計マージンの特性評価と判断が可能になります。コンプライアンス・リミットが厳しく、ランダム・ジッタまたはデターミニスティック・ジッタが発生する要因を排除しなければならないため、要求されるマスタ/スレーブ・ジッタ測定の難度が高くなります。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

DPO5000/7000/70000シリーズとDPOJET測定を使用したトランスミッタ・マスタ・ジッタ解析により、タイム・インターバル・エラー(TIE)値が表示されている

マスタ・デバイスとスレーブ・デバイス間の通信の信頼性を高めるには、さまざまな干渉源に対する耐性を評価する必要があります。PAM3信号を使用する場合、確実に動作していることを確認したり、干渉の発生源やエラー条件を特定することが困難な場合があります。

アイ・パターン解析は、複雑な通信信号の長いデータ・ストリームの評価に有効な手法として知られています。オシロスコープに拡張ジッタ/アイ・ダイアグラム解析ソフトウェアをインストールすることで、ジッタ、タイミング、アイ・ダイアグラムのデバッグと測定が可能になります。

信号品質評価

車載システムの設計者は、温度、電圧、振動など、さまざまな条件を想定して回路設計を行わなければなりません。コンプライアンス対策に留まらず、設計者はさまざまな条件の下で品質評価を行う必要があります。DPOJET拡張ジッタ/タイミング解析ソフトウェアを使用することで、異なる環境条件で1000BASE-T1/100BASE-T1測定を構成し、テストが行えます。オートメーション環境に測定機能を統合し、連続モードで測定を実行できます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

ジッタおよびタイミング解析(Opt. PHY)

パス/フェイル・レポート

BRRでは、MHLまたはPDFフォーマットのサマリ・レポートを出力できるため、コンプライアンス・テスト・ドキュメントもすばやく、簡単に生成できます。テストが完了すると、ソフトウェアによって自動的にレポートが生成されます。レポートにはパス/フェイル・ステータスが記載されているため、テスト結果をすばやく解析できます。レポートにはテスト設定の詳細、波形プロット、オシロスコープの表示画面、およびマージン解析なども記録されており、設計をさらに詳細に解析できます。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

PSDマスク・テスト・プロットが表示された詳細なテスト・レポート

テスト・フィクスチャ

正確で再現性の高いコンプライアンス・テストを行うには、物理層のトランスミッタ出力やリファレンス・クロックにアクセスする必要があり、さらに校正機能や障害信号も使用できなければなりません。そのため、当社のTF-XGbT EthernetおよびTF-BRR-CFDクロック・デバイダ・フィクスチャを使用することをお勧めします。これらのフィクスチャはすべてのテスト・セットアップをサポートしており、プロービングに便利な使いやすいテスト・ポイントを提供します。


TekExpress-Automotive-Ethernet-Datasheet

TF-XGbT Ethernetフィクスチャ

DUTを直接プローブする場合は、周波数帯域が2GHz以上の差動プローブを使用します。1000BASE-T1のテストに使用する差動プローブは、当社のTDP3500型をお勧めします。

ご注文の際は以下の型名をご使用ください。

1000BASE-T1/100BASET1のテストに必要な製品
必須ソフトウェア

Opt. BRRまたはDPO-UP BRR(TekExpress車載用Ethernetコンプライアンス・ソリューション)

必須ハードウェア

1000BASE-T1:DPO/MSO5000B、DPO7000C、DPO/MSO70000Cシリーズ(2GHz以上)

100BASE-T1:DPO/MSO5000B、DPO7000C、DPO/MSO70000Cシリーズ(1GHz以上)

推奨オプション

Opt. DJAまたはDPO-UP DJA(拡張ジッタ/アイ・ダイアグラム解析機能)

Opt. SR-AUTOまたはDPO-UPSR-AUTO(CAN、LIN、FlexRayシリアル・バス・トリガ/デコード機能)

Opt. SR-EMBDまたはDPO-UP SR-EMBD(I2C、SPIシリアル・バス・トリガ/デコード機能)

プローブ
推奨(2本必須):1000BASE-T1:TDP3500型差動プローブ、100BASE-T1:TDP1500型またはTDP3500型差動プローブ(TCA-VPI50型アダプタが必要)

対応:P6247型またはP6248型(TPA-BNC型アダプタが必要)

シグナル・ソース(AWG)

推奨:当社AFG3152C型シグナル・ソース

対応:当社AWG5200シリーズ(DC広帯域出力オプションを使用)またはAWG70000シリーズ・シグナル・ソース

推奨テスト・フィクスチャ

TF-XGbTテスト・フィクスチャ

TF-BRR-CFD(クロック・デバイダ)

その他の推奨オプション

外部PCモニタ

50Ω高品質SMAまたは同軸ケーブル(2組、合計4本):AFGまたはAWGシグナル・ソースに使用(ケーブルはすべて同じ長さでなければならない)

50Ω高品質同軸ケーブル(2本):クロック・デバイダ出力に使用(2本のケーブルは同じ長さでなければならない)

50Ω高品質SMAケーブル(1本):クロック・デバイダ入力用

50Ω高品質同軸ケーブル(1本):AFGまたはAWGシグナル・ソースのマーカ出力用

Last Modified: 2018-08-14 05:00:00
ダウンロード
ダウンロード

マニュアル、データシート、ソフトウェアなどのダウンロード:

Go to top